2023年 スギ花粉症の動向

2023年春の多摩地域のスギ花粉の飛散量は平年の1.5~2倍と予測されています。
この文章を書いている1月下旬の時点でも既に鼻水、鼻づまり、くしゃみ、眼のかゆみなどの症状が出ている方もいらっしゃる様子です。


例年、花粉飛散開始日は2月上旬とされていますが、飛散開始日は1㎠あたり1個以上の花粉を2日連続で観測した場合の最初の日となっており、その前から微量ながらもスギ花粉は飛散しており、アレルギーが強い方は飛散開始日よりも前に症状が出ます。
また、スギ以外にも、ヒノキ、ハンノキなども春の花粉症の原因となっており、特にハンノキはスギよりも早く飛散し始めるため、1月から花粉症症状のある方はハンノキ花粉症も合併している可能性があります。

飛散量が多くなると、これまでまだ花粉症を発症していない方が新たに発症したり、症状が軽かった方が例年より悪化したりする可能性があります。 今年は新型コロナウイルス感染対策に伴う行動制限も緩和されており、外出する機会も多くなるかと思われますので、早めに対策することで快適な生活が送ることができると思われます。


花粉症シーズン中の治療薬には主に以下のものがあります。


①ステロイド点鼻薬
花粉症症状に対し最も効果があり、かつ副作用が少ない薬です。
鼻粘膜の炎症を抑えることで、鼻水、鼻づまり、くしゃみなど鼻の症状全てに効果があり、さらに眼の症状も改善する効果があります。
ただし即効性はなく、また連用もできないため、1日1回、毎日続けることが大事です。
副作用としては鼻出血がありますが、鼻は外側に粘膜があり、内側には血管が豊富ですので、鼻の外側に向けて噴霧することで予防することができます。

佐藤製薬ホームページより引用

②抗ヒスタミン点鼻薬

ステロイド点鼻薬と同じく鼻粘膜の炎症を抑えますが、ステロイドよりは効果が弱く、持続時間も短いです。そのかわり1日4回まで使用できます。
副作用は鼻出血の他、鼻の奥から口に入って飲み込んでしまうと眠気が出る場合もあります。


③抗ヒスタミン内服薬
全身のアレルギーの炎症を抑えます。
鼻症状に対しては主に鼻水に対して効果が強く、鼻づまり、くしゃみにはやや弱いです。
薬によって持続時間が異なり、近年では1日1回のみ内服の薬が増えてきています。
副作用としては眠気があります。薬によっては自動車の運転が禁止(「危険を伴う機械の操作」も禁止)となります。
あまり知られていないことですが、食事の影響を受けやすく、薬によっては食後に飲むと効果が半分以下となるものもあります。

④抗ロイコトリエン内服薬
全身のアレルギーの炎症を抑えます。
鼻症状に対しては主に鼻づまり、くしゃみに対する効果が高いです。
吐き気、腹痛、下痢などの副作用が出る可能性がありますが、頻度は少ないです。

⑤抗ヒスタミン点眼薬
眼(結膜)の炎症を抑えます。
即効性はありますが持続性はあまりありません(例外あり)ので、ほとんどの薬は1日4回使用となっています。
防腐剤が添加されていない薬もあり、コンタクトレンズの上から打つことができますが、他の薬よりも薬価が高くなります。

⑥ステロイド点眼薬
抗ヒスタミン点眼薬よりも強力に眼の炎症を抑えますが、連用することによって緑内障、白内障、感染症などが引き起こされる可能性があり、失明の危険もあります。
眼の症状が強い場合や他の薬でもあまり効果がない場合は、この薬を使う前に眼科を受診することをお勧めします。


街のクリニック立川・村山では、スギ花粉症・舌下免疫療法をはじめとする、アレルギー性疾患の治療に力を入れております。お気軽にご相談ください。

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